こんにちは。ナレッジリング開発運用担当の鈴木です。
早いものでもうすぐ3月も終わりですね。
2月25日に政府から新型コロナウイルス感染症対策の基本方針が示された事により、
3月はテレワークや時差出勤など普段とは違う環境の中でお仕事に従事された方も
多かったのではないでしょうか。ワクチンが開発されるなどして早く終息してくれると良いのですが。
今回は新型コロナウイルスの危険性を世界保健機構(WHO)より早く
人工知能(AI)が予見したという話題のご紹介です。
現在世界中で感染拡大が続いている新型コロナウイルスですが、
中国でインフルエンザに似た症例が相次いで発生している事を
世界保健機関(WHO)が公表したのが2020年1月9日。
その3日前の1月6日には米国の疾病管理予防センター(CDC)がこの情報を流したそうなので、
今回の新型コロナウイルスの中国での感染拡大が正式に発表されたのが1月9日
CDCによる独自見解による発表が1月6日という事になります。
ですが、CDC発表の6日前にあたる2019年12月31日にカナダの健康モニタリングプラットフォーム
「BlueDot」によって今回の集団感染の警鐘が鳴らされていたという事です。
公式発表の1週間前ではありますが人工知能(AI)が人間の一歩先を進んだ事例と言って
良いのではないでしょうか
BlueDotは感染症の専門家で医師のカムラン・カーン(Kamran・Kahn)氏によって、
2014年にヴェンチャー投資家から940万ドルの資金を調達して設立されたスタートアップ企業。
2020年の1月末時点では医師やプログラマーからなる40人の従業員が
このプラットフォームの開発に当たっているようです。
カーン氏は2003年にSARS(重症急性呼吸症候群)が流行した際に
カナダのトロントの病院で感染症の専門家として働いており、
その時の経験から感染症を追跡できるより優れた手段を模索しBlueDotを設立したそうです。
SARSと言えば今回の新型コロナウイルスと同じく中国の地方都市で感染が始まり、
香港を経由してカナダにも感染が広がりトロントでは44人の死者を出しました。
カーン氏にとって今回の件は一定の成果となった事でしょう。
気になるBlueDotの感染症アウトブレイクの予想方法ですが、
自然言語処理と機械学習を利用して
65言語のニュース、ブログ、フォーラムの膨大なテキストデータを処理し
24時間体制で15分ごとに100以上の疾病の発生を追跡しています。
また、全世界の航空会社の発券データを利用して感染した住民が
いつどこへ向かうのかを把握する事で感染の拡散地域を予測しているとの事です。
人間では短時間で処理できない膨大な情報の中から特徴を見いだす作業で
正に人工知能(AI)の得意分野といったところでしょうか。
今後はこういった人工知能(AI)による疾病予測の精度が向上し
感染症の蔓延拡大にも役立てられると良いですね。それでは今回はこのへんで。