こんにちは。ナレッジリング開発担当の鈴木です。
近頃インターネット通販などでクレジットカードを使わずに
購入代金を後払いできるサービスがじわじわと広がってきているようです。
こうしたサービスでは商品購入時に人工知能(AI)が購入者の信用度を解析して与信審査を行い、
審査結果がOKであればサービス運営者が購入代金を立て替え、
購入者はコンビニエンスストアや銀行から支払いを行なう仕組みとなっており
手数料は0円から数百円程度の場合が多いようです。
株式会社ネットプロテクションズの「NP後払い」、株式会社Paidyの「Paidy」、
また株式会社メルカリの「メルペイ」などの利用者数が多く、その利用者数も増加傾向にあります。
表1 各社後払いサービス
サービス名 | NP後払い | Paidy | メルペイ |
利用者数/アカウント数 | 1,350万人超 | 220万口座超 | 400万人超 |
1月の上限額 | 55,000円 | なし | 200,000円 |
手数料 | 0〜209円 (1回の支払いあたり) ※店舗による | 利用月に99円 | 0円(メルペイ口座) 300円(コンビニ、口振) |
ネットプロテクションズの「NP後払い」はユニクロやニチレイフーズなど
41,500社以上の企業が導入しています。
導入企業の通販サイトでは支払いをする時に
「NP後払い」を選択すると与信審査が入り承認後に商品が請求書・払込票と共に出荷されます。
この時に人工知能(AI)が活用されます。
クレジットカードでは年収や職業など伝統的与信情報を利用するのに対して、
後払い決済では利用者の支払いに関する行動履歴を元に与信の判断を行ないます。
クレジットカードに比べて利用のハードルの低さが特徴的です。
人工知能(AI)やビッグデータを利用した融資の与信診断の利用は
世界的に見て伸びているようですが、
日本では利息制限法・出資法による借入金額の上限 ※1があるので、
与信診断分野での伸びが難しいという見方もあります※2。
そうした中、通販代金の後払いサービスのような意外なところで
じわじわと利用が拡大しているようです。今後も利用が進んで行きそうですね。
それでは今回はこのへんで。
※1 … 借入額によって上限が15 〜 20%
※2 … 貸し倒れリスクの高い融資申込者であっても、
上限金利を超えて融資する事もできないので
お金の貸付などではなかな厳しいようです。
ちなみに米国でビッグデータ与信を行っているKabbageの平均貸付金利は30%強、
中国でビッグデータ与信を行っているWeLabの平均貸付金利も33%程度、
ケニアやタンザニアでビッグデータ与信を行っているBranchの
平均貸付金利はなんと約150%と言われているそうです。