2019年12月06日

人口知能(AI)でオレオレ詐欺を防止

こんにちは。ナレッジリング開発担当の鈴木です。
気がつけば12月。今年も残すところあとわずかとなりました。
寒い日が続いていますので、お風邪など召しませぬようご自愛ください。

ところで、近年増加している特殊詐欺の防止に
人工知能(AI)を役立てようという取り組みがあるのをご存知でしょうか。
NTTの「特殊詐欺解析AI」や
NECの「声認証技術を強化した個人の高精度認識」が
実用化に向けて実証実験を行っています。
こうした取り組みは実用化されれば大きな社会貢献が期待されますが、
実用化にあたってはクリアしなければいけない課題もあるようです。

平成28年(5,753件)、平成29年(8,496件)、平成30年(9,145件)。
警察庁が発表している各年度のオレオレ詐欺の認知件数です。


特殊詐欺認知件数.png

出典 : 警察庁 「平成30年における特殊詐欺認知・検挙状況等について(確定値版)」

オレオレ詐欺は平成29年に認知件数が急増しその数は増え続けています。
被害総額も平成30年は188億9千万円に上り、オレオレ詐欺は大きな社会問題となっています。
こうした社会問題の解決に人工知能(AI)を活用しようとする取り組みが
NTTの「特殊詐欺解析AI」やNECの「声認証技術を強化した個人の高精度認識」です。
まずNTTの「特殊詐欺解析AI」について。
NTTの「特殊詐欺解析AI」はご家庭の固定電話に特殊詐欺対策アダプタを設置し、
録音した通話内容をクラウドに転送し、特殊詐欺解析AIが通話内容を解析します。
AIが解析した結果、特殊詐欺であると疑われる場合には、
あらかじめ登録されたメールアドレスに注意喚起メールを送信するという事です。
NTTの「特殊詐欺解析AI」は犯行に使われる頻度の高い「銀行口座」「振込み」など
数百のキーワードが会話の中でどのように使われるかを解析し
特殊詐欺である可能性を判定するところに特徴があると思います。

NTT特殊詐欺解析AI.gif

出典 NTT持株会社ニュースリリース 「特殊詐欺解析AIを用いた実証実験の実施等について」

次にNECの「声認証技術を強化した個人の高精度認識」について。
オレオレ詐欺は息子や娘など高齢者の親族を騙る手口が多い事が知られています。
口やのど、鼻など発声器官の形状には個人差があり、声は個人ごとの特徴があるので
声認証はその特徴をAIが解析し、電話相手が本当の親族か判別するのに役立ちます。
判定にかかるのはわずか5秒。雑音などがまじった状態で95%の精度で個人を識別できるそうです。
声認証なので特殊詐欺の判定に「銀行口座」「振込口座」などのキーワードに依存しません。

NEC声認証技術.jpg



出典 NEC 「NEC、声認証技術を強化、5秒で個人を認識可能に」

いずれの取り組みも実用化されればオレオレ詐欺の防止におおいに役立つ事は間違いないでしょう。
しかし、実用化にあたっては解決しなければいけない課題もあるようです。下記のような課題が挙げられます。
  • プライバシー
  • 心理的バイアス
  • 費用

プライバシー
電話の会話内容をネットワークを経由してアップロードする事になるので、
プライバシーが必ず守られる仕組みが必須です。

心理的バイアス
2016年に内閣府の行った「特殊詐欺に関する世論調査」によると、
「自分は特殊詐欺の被害にあわないと思う」と答えた人の割合は年齢を重ねるごとに高くなり、
実際の被害の分布と逆の傾向を示していたそうです。
特殊詐欺にあう可能性が高い人がその自覚を持つ必要があります。

費用
通話内容をアップロードするための機材の導入や
親族の声の特徴を学習させるためには費用がかかります。
こうした費用をどう利用しやすい価格に設定できるかが実用化の鍵になるのではないでしょうか。

とはいえ、実用化されれば年間188億にものぼる被害を減らすのに役立つので
実用化されて欲しいものです。

それでは今回はこのへんで。
posted by CBIT鈴木 at 12:21 | Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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